◆世界平和のために武器を売る
若きウェポンディーラーと仲間たちの生き様を描く大人向けアニメ
「ヨルムンガンド」(WHITE FOX)(※ネタバレ有)

以前もアニメで正義やら平和とはなんぞやということをテーマに感想を書かせていただいたことがあります。

倫理や道徳の授業とかでも取り上げられるこういった問題を表現しているエンタメを見ると非常に頭を使うし心にもズキズキくるので見るの体力いるのですが、そんなアニメの中でも本日は「ヨルムンガンド」の感想を書いていきます。

戦争とかの描写があるものの、主人公たちが表向き飄々としているので比較的みやすいですよね。

ヨルムンガンドアニメネタバレ

引用:https://www.jormungand.tv/

戦争で全てを亡くした少年兵ヨナは、武器を考える者、作る者、売る者、使う者、全てを憎んでいました。

山岳兵として働いていたヨナは、ある時子供が地雷の犠牲となったことに激怒し、基地の人間を殺してしまいます。

そこへ現れたのは、武器商人、キャスパー・ヘクマティアルでした。

子供を殺した元凶が彼の部下であったこと、ヨナの故郷が失われる原因となった戦いに武器売買をしたのがキャスパーだと明らかになります。

キャスパーは、助かった子供に安全な暮らしを提供するという条件と引き換えに武器商人で妹のココの私兵として働くよう契約しました。

こうして、ココの部隊に入隊したヨナは、「世界平和のために武器を売る」という彼女と行動を共にします。

殺し屋やライバルの妨害と戦う日々が続き、やがてココの世界平和を実現するヨルムンガンド計画の実態が明らかになります。

その方法とは、衛星を使い地球上の物流を支配し、強制的に武器売買や戦争を停止させるという手法でした。

ただし、起動した瞬間におよそ何万人もの犠牲が出る計画にヨナは反発します。

ココの元を去り、2年かけて気持ちを整理したヨナは、成長した姿で再びココの元に帰還するのでした。

ヨルムンガンドアニメ感想

ヨルムンガンドは、まさに大人向けのハードボイルドミリタリーアニメです。

シーズン1~2にかけて銃でドンパチしない回が何回あっただろうかと思うくらい毎回打ち合いしています(笑)

ココの私兵一味も、キャスパー一味も、敵キャラとして登場するCIA職員も魅力的な人物ばかりです。

武器商人らしく武器の名前とか特性とか細かくいってくれるのはむしろアニメのほうが親切で、ミリタリーものが好きな人にはたまらない本作。

個人的には強くて美しい、巨乳マッチョなバルメさんと、CIAの魔女ことヘックスが大好きです(笑)

もちろん、真っ白でミステリアスなココも素敵です。

しかしながら、注目したいのはそのテーマの重さですよね。

一次の犠牲を出すことで平和を手に入れる、どこぞの聖杯戦争で同じような思想の男の人いたなとか思ったりしますが、ヨルムンガンドはもっと大胆な世界平和計画で、見終わったあとも「結局なにが正しいんだろうな・・」と、考えさせられるものがあります。

そんな中で私の思う特に好きなポイントを以下にまとめました。

武器商人としてしか生きられない でも、武器も戦争も嫌いなココが世界平和のために強く歩いてゆく 主人公は少年兵のヨナと武器商人の女性ココ。

二人は白髪ですが、目の色は赤と青、肌の色も色黒と色白、なんとなく対になっている感じがします。

ココは終盤、戦争や殺しがなくならない世界が大嫌いだけれど、そいったものを憎みながらも武器を手にするヨナは、自分と近いなにかを感じるから好きだと言っています。

ココは巨大企業HCLIの社長フロイド・ヘクマティアルの娘として生まれ、物心ついた時から世界を転々とし、学校にも通わず、ずっと武器商人としての人生を歩んできました。

ココは商談だけでなく、普通の人とのコミュニケーションもとても上手で、レームが言うように、別に武器商人でなくても生きていけそう、と作中通して感じさせますが、ココ本人は、学歴もなく、CIAのブラックリストに載っている自分は、もはや武器商人以外では生きていけないと思っているようです。

彼女の商談は紛争地帯や戦争まで一触即発の国で行うものばかりで、政治的な意味も大きく含むため常に命を狙われる危険性があります。

頼もしい私兵と共に一見飄々としているようですが、笑顔の奥底では、人を殺す道具を売り、戦争に手を貸し、終わらない怨嗟を生み出すことに常に関与している武器が、軍人が、殺し屋が、そして何よりも自分自身が大嫌いだと話しています。

上の言うことは絶対みたいな思考停止している奴なんか大嫌い、腐った死体より臭い、と嫌悪をあらわにするココの発言をきいて、今まで旅する中で起きた出来事すべてがココのヨルムンガンド計画の前振りのように感じました。

流血を流血で洗うと、結局すべてが壊れるまで終わらない様をいやというほど見せつけています。

守っていた孤児が、地雷原を兵士の代わりに歩かされて死んでしまったことで基地を壊滅させたヨナ 人生をぶち壊した師匠と殺し屋として生きていくしかできなかったチナツ 部隊を全滅させられ右目を失いチェンへの復讐にとらわれてしまったバルメ バルメに恩人チェンを殺されたことで激怒し「こんな世界もう嫌だ」と嘆いたカレン テロで婚約者を無くし残虐なテロリスト狩りを繰り返すようになったヘックス アールを殺されたことで激怒してヘックスを爆撃したココ かつての戦場を夢見て命を散らせたSR班 ・・などなど、目立つエピソードもそうでないものも、ココが嫌悪してやまない戦争や武器の醜さを物語るエピソードにつながっています。 もちろんヨナも武器を持たなければならない自分も含めて嫌いでしたが、これを手放すことができないパラドクスに陥っていると徐々に理解します。

そんな中、ココに70万人の犠牲の上になりたつ強制的な世界平和に「そんなのだめだ」と反発したヨナでしたが、70万人失うけどこれ以降の死人はぐっと減る、致し方ない犠牲、というココの見解に何も言えなくなります。

私もこの手の問題は難しいと感じており、ココが全面的に正しいとは必ずしも言い難いです。

かといって、じゃあどうすれば世界から戦争という悲劇はなくなるのか、どうすれば武器がなくなるのか、それは説明できません。

現実世界で誰かがこれをきっちり説明できて、計画を実行できるまでの行動力と手腕があればもう行われていることでしょう。

今まで人類のだれもがこの答を出せませんでした。

ヨルムンガンドは、そういった人類が永い間抱えてきた問題に、一つ答えを出してみた、というストーリーだと思います。

世界はラッキーだよ、とココがいいますが、ココはこの計画のためだけに武器を売り、南博士と知り合い、資金を捻出して衛星を打ち上げ続けました。

ココには考えを実行に移せるだけの資金力と実力、人脈があったのでここまでできてしまったのです。

本作はこのヨルムンガンド計画について賛否両論議論されていますが、私は最後にヨナが2年間考えて少し大人になったように、本当に大きな何かをなしたいなら、狂気じみていてもそれを推し進めるだけの覚悟をもって歩まなければならない、というようなメッセージを本作から感じます。

今回は、「ヨルムンガンド」についてでした。 今回の記事を読んで「もう一回見直したい」「久しぶりに見ようかな」「友達にすすめてみよう」と思っていただけたなら幸いです(笑)

 

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