ゴブリンを倒すこと文字通りすべてを注ぐ一見地味だけどカッコイイ男を描く変わったファンタジー作品
「ゴブリンスレイヤー」(WHITE FOX)(※ネタバレ有)

ファンタジー作品や異世界転生ものが昨今流行っていますよね。

時代や世界を超える物語は、一見ありきたりな展開かと思いきや独特の角度から問題提起してくる感じがとても好きです。

ということで、本日はファンタジー世界の冒険家たちを描く「ゴブリンスレイヤー」の感想を書いていきます。
※アニメ1期にのみ焦点を当ててお話します。

ゴブリンスレイヤーあらすじ

引用:http://www.goblinslayer.jp/

独自の戦術と知識を駆使しゴブリンだけを狩り続け、最上級の冒険者銀等級となった男の活躍を描く物語。

ゴブリンは、子供程度の知能で力は弱く、2匹くらいならすぐ撃退できるものの、群れると他種族からモノや繁殖用のメスを略奪する習慣を持っています。

非力な分やり方は卑劣極まりなく、女子供であろうと容赦しない残忍さも持ち合わせています。

数が増えると戦略的な攻撃をしかけ村を壊滅させたりする危険性もあり、知識のない素人や新米冒険者では手に負えなくなります。

中には魔術を行使するものや、英雄的な優れた戦闘力を持つ個体も存在し、人間の行動からすぐに学習するので、様々なコミュニティを作っています。

しかし、一般的にゴブリンの脅威は認知も薄く軽視されており、冒険者ギルドへの依頼の報酬は少ないため、実力のある冒険者や出世を狙う冒険者はこの依頼を受けない傾向が強いです。

そのため、新米の冒険者が担当するも失敗してしまい、女性は繁殖用の苗床にされたりと、なかなか解決できないことが課題となっていました。

このような社会の中で、ゴブリン退治のプロとして活躍しつつ、やがて彼が仲間を持ち、成長してゆく様を描いています。

ゴブリンスレイヤー感想

ファンタジーといえば、剣士や戦士、魔術師や僧侶といったパーティと組み、力をあわせて戦い、最初は弱いモンスターしか倒せなかったのに、いずれはドラゴンのような大物、ひいては魔王のような強大な存在に立ち向かい、やがて世界を救う。

強力な魔術、聖賢、聖なる力で大活躍!・・・みたいなのがテンプレですが、この物語はゴブリンをネズミか白アリ駆除のごとく淡々と狩りまくる稀有な男の物語。

ある意味超ハードボイルドです(笑)

もはや冒険者というよりも駆除専門の業者かなと思うほどにゴブリンしか狩りませんし、彼の生活のほとんどがゴブリン退治のために費やされているといっても過言ではない. かなり変わり者な主人公ですがそんな、稀有な彼にスポットを当て、かつ、一見煌びやかでワクワクするファンタジーの世界のリアルな社会問題も描くこの作品、アニメはまだ1期と映画のみですがまだまだ映像化してほしいです(笑)

私の思う特に好きなポイントを以下にまとめました。

◆ゴブリンスレイヤーの孤高のプロフェッショナル感

この作品の面白いところは、先ほども述べたようなファンタジーの一見楽しくワクワク!な世界の中で、辛辣な社会問題をリアルに描写しつつ、ギルドを訪れる冒険者たちの労働者としての価値観まで描写してあるところです。

冒険者が高齢になったら、指導者にキャリアチェンジするかどうかをみんなでランチしながら話す会もあり、ゴブリンスレイヤーが自分のキャリアについて考えたりする場面もありますが、将来について悩むのはサラリーマンもフリーランスも冒険者も同じなんだ~と思いました(笑)

こういう全然王道じゃない本作が大好きなのですが、私は、ゴブリンスレイヤーのプロフェッショナル魂が特に好きです。

彼は最愛の姉をゴブリンに凌辱され惨殺された過去があり、しかも非力だった自分は怖くてただ姉が殺される様子を見ていることしかできませんでした。

そんな非力な自分への自己嫌悪とゴブリンへの強烈な憎悪は彼の人間性を変えてしまいます。

深い心の傷を負いつつも、彼なりに人に貢献する仕事にパワーを注いでいる感じを、一社会人として仕事人として尊敬します。

(おそらく彼的にはそんな崇高な志はなく、ただ「ゴブリンは殺さないといけない」「世界からゴブリンを排除する」という執念に身を燃やしているだけでしょうが。汗)

独自の価値基準を持ちひたむきな彼の生き様は、なんだかカッコイイです。

私のお気に入りは彼のゴブリンに対しての研究や戦略。それも地道で地味なところ(笑)

彼はカッコイイ鎧も立派な剣も使いません。

スクロールと呼ばれる派手な魔法道具でさえ、巣穴の水攻めという、江戸時代の戦国武将か本当に害虫駆除で用いる戦法のごとく使います。

しかも彼は武術も他の銀等級と比べるとたぶん高いほうではなく、強い個体にはきっちりぶっ飛ばされて怪我をしてはポーションで麻痺させて頑張るシーンが多々あります。

(リポD飲んで頑張るサラリーマンみたいです)

それでも、魔法も使えない人間がゴブリンを倒すために何ができるかを一生懸命考えて創意工夫して実行し、結果的に多くの人々を助ける彼はまさにプロですよね。

普段から知識に貪欲でなんでも質問して試してみたりと、普通にビジネスマンとして見習いたい行動が多々あります(笑)

また、一方で狂気的な執念に生き人間らしさとは遠い彼を、仲間が少しずつ解きほぐし、人間らしさをつけていく展開もこの物語の見どころです。

そんな、強いけどどこか危うく寂しい彼に惹かれる女性も作中では多いですよね(笑)

また、何だかんだ言っていつもひたむきにか頑張る彼に、妖精弓手や鉱人道士、蜥蜴僧侶が手を貸し、ついにはギルドの面々が手を貸し、大がかりな野戦で村を守る物語展開は痛快です。

彼の心の闇は深いですが、一つのことを専門に技巧的にも極め抜き、そのための努力も欠かさない、仕事人としても人間としても成長していく様は、全然違う世界観で働く私たちも見習いたいものです(笑)

今回は、「ゴブリンスレイヤー」についてでした。 今回の記事を読んで「もう一回見直したい」「久しぶりに見ようかな」「友達にすすめてみよう」と思っていただけたなら幸いです(笑)

 

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